秘書課恋愛白書

「なんですかこれ。え?」

「そういうことだ、中原。俺のお願いはこっちも含まれてる。これは我が社機ってお願いだから間違えるなよ?」

「部長…これはさすがに無理があるといいますか…」


再び書類をパラパラめくり、私は口元を引攣らせた。

なんだ…この企画は。


「いいや!お前しか適任はいない!お願いだから出てくれ頼む!」


再び二人が私の前で土下座をしたことで他の課の人たちまでもが集まり始め、思わず「わかりました、考えますからやめてください!」と口走っていたのを後々後悔するのだった。



***


「却下」

「ですよねぇ…」


そういう回答だと思っていましたとも。

勤め先での仕事を終えて、帰り仕度をしながら私を待つ社長のところに戻るなり、恐る恐るインタビュー企画について尋ねてみた。

だが、返ってきた返事は予想通りといったところだろうか。

企画書を見せるなり、数秒目を通して自分のデスクに伏せた。

そして頬杖をついて足を組みながらキャスター付きの椅子を揺らす。


「そういうの興味ないんだよね。ああいうの出る奴ってただの目立ちたがりが多いっていうか」

「そこをなんとか。可愛い後輩の頼みなんです」
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