秘書課恋愛白書
ぐいっと顎を持ち上げられて、ギラギラした瞳が私を捕らえた。
いや、そうなんですけれども……でも今は
「こんなことしてる場合じゃ…」
「待たせておけばいい」
「ダメですっ…んぅ」
まるでこの状況を楽しむように、いつ誰が通るかもわからない廊下で唇を塞がれた。
もう〜こんなことしてる場合じゃないんだってば!
会社の人や他の誰かが来てこんなところ見られたらどうするの?!
頭ではそんなことわかってるのに社長のキスに酔わされ必死に受け入れる。
「んんっ…」
「いつもと違う場所で興奮してる?」
「してなっ…」
「エロい顔。他の人に見せちゃダメだよ」
クスッと笑ってまた唇を塞がれ舌を絡め取られる。
社長の舌が私の上顎を刺激するたびに甘い吐息が漏れてグズグズに溶かされてしまった。
すでに腰砕けの私は肩で息をしながら震える足で立ってるのも精一杯。
反対に社長は涼しい顔して満足そうに私の額にキスを落とすのであった。
また流されてしまった…私のバカ。