秘書課恋愛白書



『それでは、インタビューを始めさせていただきます』

「どうぞ」


女の私から見ても綺麗なインビュアーの女性との対談が始まった。

トイレに一度寄って呼吸を整えてからひっそりと会議室に戻り室長の隣にそそくさと並ぶ。


「どうしたの?遅かったね」

「ちょっと…色々ありまして…」


廊下でいかがわしいことをしてた、なんて口が裂けても言えないです…すみません。

冷や汗をかきながら内心室長に謝って、社長を見つめた。


さっきまであんなことしてたのに…

涼しい顔しちゃって、切り替えが早すぎてビックリする。


足を組んで淡々と質問に答え、会社のビジョンを説明する姿はやっぱりこの会社を代表する者としての姿で…

その姿にすらキュンとしてしまい、好きだと思う。


だが、そう思っているのは私だけじゃないみたいで…

出版社の女性たちの瞳がギラギラとして社長を狙ってるのがなんとなく伝わってくる。

特にインタビュアーの女性記者が少し胸元の開いたブラウスを着ているのが気になって仕方がない。

あとカメラマンの女性も。

ファインダー越しにシャッターを切りながらもその眼はギラついて見えた。
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