秘書課恋愛白書
「酷い!私がどんな気持ちで…!」
一体どんな気持ちで、社長のことを見ていたと思ってるの?!
また私の気持ちを丸無視して勝手にしでかして!
ギャンギャン喚く私に苦笑いを浮かべるが黙ってられるほど恋愛に関しては大人になりきれてない私。
「ごめんごめん。だって、妬いてる綾女見てたら楽しくなっちゃって」
「は?」
「何度も言うけど、本当に可愛くていじめたくなったんだ」
そう言って再び私の額に触れるだけのキスを落として唇へと移動する。
ズルイ…私がこんなに好きになってるの知っててそんなことするなんて。
可愛いと言われる嬉しさと盛大にみんなの前で暴露してくれた居たたまれなさで複雑そのもの。
だがそんな気持ちも社長のキスが全てをどうでもよくさせている気がした。
「さーて、僕のしたいことに付き合ってもらおうかな」
「はい?」
僕の、したいこと…ですと?
パチクリと瞬きする私に忘れたとは言わせない、とニッコリと微笑む社長は…目が笑ってない。
口元を引攣らせて後ずさりする私の腰を掴んで離さず、再び浮遊感が襲いお姫様抱っこをされると…あるところへ移動し、その場に私の絶叫が木霊した。