秘書課恋愛白書
友達と過去と現在と
「あーっ!!もう!!信じられない」
ガシャンと音を立てて空になったジョッキをテーブルに打ち付けた。
「まあまあ落ち着いて。すみませーん。ビールもう一杯追くださーい」
私をなだめつつ冷静に注文を促す親友。
華の金曜日、親友がチョイスする居酒屋はがやがやと賑わっていて活気があった。
1週間の仕事の疲れを癒すようにビールを流し込む客が後を絶たない。
もちろん私もそのうちの一人。
親友…マリカは某IT企業に勤めるOLで、私たちが高校2年の時同じクラスになったのを気に意気投合し仲良くなって現在に至る。
見た目は清楚系女子だが昔は金髪に派手なメイクでギャル路線だった。
見た目とは裏腹にパソコンなどが得意で今の会社に就職。
逆に私は高校時代から変わらず黒髪に控えめな感じでそのまんまここまできた。
変わったことといえばパーマをかけていたロングの髪の毛を社会人と同時に鎖骨あたりまでバッサリ切りそれを継続していることぐらい。
「それにしても、あの有名な"宮野ホールディングスの社長秘書"になったなんて」
「でも今話したように社長自身はとんでもない人だよ」