秘書課恋愛白書

「そうは言っても、綾女がここまで秘書の仕事を続けてるとは。本当に好きなんだね」

「やっぱり高校と大学の時のマネージャー経験が大きかったかな」


高校時代はバレーボール部のマネージャー。

大学時代はサッカー部のマネージャーをしていた私。

裏方の仕事をするようになって誰かをサポートするのが性に合ってると気づいたのがキッカケ。

だから就職活動中に第一志望だったMキャリアに合格できた時が人生のピークだったかもしれない。



「同年代の中では昇進のスピードは早いし、まさにバリバリのキャリアウーマンって感じ」

「そうかな?でも私も仕事しかしてこなかったからなー」


結局最後に手元に残ったのが仕事だけだったから自分なりに頑張っただけ。


するとマリカがなにか思い出したかのように口を開いた。


「……そういえば、ユウ日本に戻ってきたらしいよ」

「………そう」


懐かしい名前を耳にして胸の内で言葉に出来ないものがこみあげる。

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