秘書課恋愛白書
「それより2軒目いく?」
「ごめーん、今日このあと友達の紹介で人と会う約束してるの」
「それ先に言ってよ!!!」
ごめん、と両手を合わせるポーズしてスマホの時間を確認するマリカ。
早く言ってよ、もうすぐ21時になるところなのに長い時間私に付き合わせてしまったではないか。
「大丈夫!誘ったのは私のほう。ごめんね、綾女!また飲もう」
「こちらこそありがとう。楽しんできてね」
お会計を急いで済ませ、お店の前でバイバイと手を振りマリカと別れた。
……さて、どうしよう。
少し酔いが回った状態でまだ21時ときた。
一人で2軒目いくのもありだな…としばらく行く予定のなかった馴染みのBARへと足取り軽く向かうのであった。
「マスターこんばんは!」
「あれー?綾女ちゃん。しばらく来ないと思ってたのに1週間経たずに来たねぇ。何かあった?」
「マスターにしか言えない愚痴を吐きに参りました」
座って座って、といつものカウンター席に通される。
少しフラつきながら椅子に腰掛けると注文してないのに目の前におつまみのナッツが差し出された。
サービスね、と微笑むマスター。
有り難くいただくことにする。