秘書課恋愛白書

1軒目はビールばっかり飲んでいて、ここはお洒落で甘いお酒が美味しいのでとりあえずオリジナルカクテルを注文した。



「綾女ちゃん、ちょうどよかった。紹介したい人がいるんだよ」

「紹介したい人?」

「いまお手洗いに行ってて戻ってくるから待っててね」



そう言って私の注文したカクテルを作りながらお店を見渡したマスター。

先週と同じように、お店は相変わらず女性客が多くて楽しそうな笑い声が聞こえてくる。

マリカの用事がなければここに連れてくるつもりでいたが今度の機会にしよう。


すると、他の女性客たちがキャーキャー言ってるのが気になり後ろへ振り向くと、男の人が一人こちらのカウンターへと向かってくる。

何事だ、と疑問に思っているとそれはすぐに解消された。



「あれ?アナタはこないだの………」


先週、ここで出会った長身で眼鏡を掛けた男性。

私の顔を見るなり驚いた表情で声をかけてきた。



「ど、どうも……」

「おかえりタケルくん。こないだはゆっくり話せなかったからね。いい機会だ」

「あ…はい」
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