秘書課恋愛白書

「たしかにレイちゃんは人としてちょっと残念な性格しているかもしれないけど、悪い子じゃないんだよ?」

「マスター、それフォローになってません」


灰田さんのツッコミにゔ…とマスターは言葉を詰まらせしどろもどろ。

まぁまぁ落ち着いて…と私にテキーラショットを差し出した。


「別に私じゃなくてもよくないですか?!会社に秘書課はあるんです。社長の秘書になりたい綺麗な女性もたくさんいるんです。なんでよりによって私なんですか?!」



今まで仕事だけが生き甲斐で頑張って来たのに、どこで間違ったというのよ。

ガッとまた差し出されたお酒を一気飲みしてマスターにおかわりを求める。



「たしかにアナタの言う通りです。あの身なりで社長ですからね、周りが黙ってないでしょう。でもアナタが良かった理由はなんとなくわかった気がします」

「?なんですか?」

「ふふっ秘密です」



きっといずれわかりますよ、と誤魔化された。

なんだそれ。あんまりわかりたくないんだけどなあ。

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