秘書課恋愛白書


ーたける sideー



先日のお詫びも兼ねてお客として久しぶりにBARへと顔を出す。

他愛もない話をマスターと交わしてお手洗いから戻ると見知った顔がそこにはあった。

一度しか会ってないが忘れることはないだろう。

少しだけ昔の"彼女"を思い出させたから。



どんどん話をしていくうちにわかったこと。

なんと怜の会社で秘書として働いている、と言うではないか。

怜の秘書狩りならぬ秘書泣かせの悪評はどこからともなくこちらの耳に入っていた。

あの性格なだけに一緒に仕事するのも、付いて行くのも大変だろうとは幼馴染み歴20年以上の自分でも思う。


ブロンドの髪の毛にブルーの瞳。

イギリスの血が濃く出た日本人離れした整った容姿。


何人もの女性秘書が怜に近づこうとしたがそのたび泣かされていたのを知っている。
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