秘書課恋愛白書
仕事をしている時の格好とは一変してラフな格好でいたため、アヤメの瞳に映る僕は…多分ホスト。
この金髪がそれを連想させてしまうのもわかる。
「…いま、ホストみたいって思った?」
「??!」
案の定、アヤメはそう思っていたようでビックリして目を見開いた。
考えてることぐらいわかる。
そこへマスターがこう見えて、と僕の職業については明かさず立派な企業人であることを伝えると半信半疑な目をしてジロジロと僕を見つめる。
「マスターがそこまで言うなら…」
そう言ってアヤメはおずおずと僕の目の前に名刺を滑らせた。
「……ハケンヒショ?」
この名刺、どこかでみたことがある。
派遣秘書を取り扱う企業…ああ、グループ傘下にある。
高校時代に彼女の友人だった一人がそこの会社の息子だった気がする。
しかもそいつ、今僕の会社の秘書課にいる。
まさか僕のグループ傘下の企業で勤めていたとは…
これは、面白い。
知らないフリで聞き返すと、アヤメは自慢気に自分の仕事について楽しそうに話す。
中原 綾女ね。
イイモノを見つけた気がする。