秘書課恋愛白書
「僕のこと好きならなんでもできるんだよね?」
「…は、はい」
「じゃあそこで脱いで見せてよ」
「?!!」
彼女のこと忘れさせるくらいの何かを僕に与えてみせてよ。
女性社員は目を見開いて真っ赤にした顔が不安なものへと変わり震える体でジャケットを脱ぎ始めてた。
彼女が親友を選んだあの日から、僕の心は更に歪んでいった。
手に入らないなら一層、どうにでもなれ。
ジャケット、スカートと脱いでワイシャツ姿で佇む女性社員。
絨毯に落ちたそれらは脱ぎ捨てられていた。
ワイシャツに手をかけて豊満な胸が外気に晒される。
何も考えず、何も聞こえない。
自分のデスクに女性社員を早急に押し倒して行為に及ぶ。
愛がなくても、気持ちがなくても、しようと思えば出来てしまう自分に反吐が出る。
こんな僕でも、アヤメは受け入れてくれるだろうか。
すると、勢いよく社長室の扉が開かれて僕の腕の中にいた女性社員が悲鳴をあげた。
タイミングは最悪。
扉の前で呆然とこちらを見つめるアヤメの姿がそこにはあった。
でも、自分がこういう人間であることを第一印象として刷り込んでおけばこれ以上地に堕ちることはない。