秘書課恋愛白書
社長と…デート?



「いっ…たあ」


ズキズキと痛む頭を押さえてゆっくりと目を開くと見知らぬ天井。

ボーっとしていてイマイチ状況が掴めない。

ああ、これ二日酔いか。

久しぶりにテキーラショットなんて普段飲むことのない度数の高いお酒に手を出したせいかもしれない。


荒れて飲んだ後の体への負担は酷いものだった。

実年齢20代後半とはいえ、体は年齢を通り越している気がする。

広い天井を眺めて昨日の自分を思い出す。


久しぶり会いたいと連絡をくれたマリカと飲んで楽しかったのは覚えている。

楽しい気持ちのまま、2軒目は一人でいつものBARへ行ったのも覚えている。

そこで宮野社長の友人である灰田さんと会って話して、愚痴を聞いてもらって…


で、どうした私。


痛む頭にいうことをきかない体。

もしかして…やらかした。

一気に血の気が引いてゆっくりと体を起こして柔らかい羽毛の掛け布団を剥ぐ。


……見慣れないナイトウェアを着ているではないか。

どうやって着たかも、どうしてここにいるのかも思い出せない。
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