秘書課恋愛白書
社長を含め、ドレスアップした5人で写るその写真には真ん中に女の人。
綺麗なドレス姿のその人に思わず見惚れてしまった。
自惚れてるわけじゃないど、ちょっとだけ自分に似たような雰囲気を纏ってる気がした。
顔のパーツが似てるのかな??
気になったのはそれだけじゃなくて、社長やそこに一緒に写っている男の人たちの顔面偏差値の高さときたら。
類は友を呼ぶ、って本当こういう時のためにある言葉だと思った。
タキシード姿もよくお似合いで、自分とは違う世界で生きる社長の姿を目の当たりにした気がした。
ガチャ…と扉の開く音がして、慌てて写真立てを元あった場所へと戻す。
「………なんで着替えてるの」
「えっ…あ。な、なんでと言われましても」
私の姿を見るなり、社長は不機嫌そうに眉を顰めた。
写真立てを戻した瞬間に入ってきたため、行き場の無い手がぎこちなかったがそれについては触れられなくて安堵する。
「スーツ、クリーニングにまで出してもらいありがとうございました…」
「目の前であんな吐かれたら出すしか無いでしょ」
「……すみません…でした」