秘書課恋愛白書
思い出したらすっごく恥ずかしい。
あの時の行為にガッと熱が上がってバタバタと足を動かす。
…なーんであんなことしちゃったかなぁ。
嫌なのに、嫌なはずなのに、社長にされるのに慣れてきてる自分が怖い。
私、変態なのかもしれない。
いや、私じゃなくて社長が変態なのよ。
社長とのキス…嫌いじゃないと思ってる自分がいることに気づかされる。
でもあんなに綺麗な顔したイケメンにあれこれされて意識しない人なんているわけがない。
私もその一人になりつつあるのだけど…
もしかして、"秘書泣かせ"ってそういう意味?
初めて社長室を訪れた時のことを思い出す。
社長とどこの課かわからない社員が真っ最中だったあの最悪の日。
……誰とでもそういうこと出来ちゃうの?
あーだめ、考えちゃ危険よ私。
こういうこと考えること自体、ルール違反なんだから。
深くため息をついて寝転がった拍子にカチャリと金属の擦れる音がして首元に違和感を感じた。