秘書課恋愛白書

不思議に思って首元に手を当てると…なにやらネックレスのような金属製のものをしている感覚。


え、こんなのつけてたっけ?


普段、髪の毛に隠れてピアスをすることはごくたまにあった。

だがネックレスとなると土日など休日に出かける時にしかつけない。


急に不安が押し寄せベッドから起き上がって洗面所へと急ぐ。

電気をつけて鏡の前までやってきた。

鏡の前に映った自分の姿、その首にかけられた金属…


「なにこれ…いつの間に…」


胸元で光り輝くそれは角度や光の加減によって表情を変えピンクのような赤く見える小粒の一石が控えめについたシルバーのネックレス。


こんなの持ってない、まさか……

いや、でもなんで…?


思い当たる節はあるもの、それはフィッティングルームでの出来事。

一瞬首元にひんやりと金属のようなものが掠めた気がしたが、まさかこれだったとは。

しかも、なぜか簡単には外せないような作りになっているではないか。

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