先輩、好きです。












そして、合宿は最終日を迎えた。



あまりのハードさに最後までやれるのか心配だった合宿も、大きな達成感とともに私たちはグラウンドに倒れ込んだ。


正直本当に辛かったけど、その辛さが、涙が、自分に自信を与えてくれた気がする。


夕食では、ゲームをしたり大会の抱負を語ったりと、みんなの笑い声で溢れていた。










そんな中、私はと言うと洗濯場で今日使った部員のタオルなどを機械に放り込んでいる真最中だ。


お腹も満たされ、洗濯物を一通り入れ終わったあと、私は近くにあるベンチに腰を下ろした。


夕食ではビンゴ大会が行われ、3年生の先輩が一番乗りで1週間の掃除当番免除券を獲得して、大喜びしていた。


「ふー」


一息つき、なんとなく携帯を見てみると、そこにはさっきグラウンドでとった集合写真が載っていた。


私もちゃっかりと先輩の隣の位置を確保し、写真を取ることができた。


隣で取れたことが嬉しくて何度も私と先輩が写っている部分を拡大して見てしまう。


「ふふ…っ」


「なに、一人で笑ってんだよ」


突然背後から声がしてふり返ると、


「颯斗先輩!」


そこには、画面で何度も見つめていた本人がいた。


「いたっ」


頭をこつんと叩かれ、思わず手を額に当てる。


「何見てたの?」


腰をかがめて私の顔覗き込むように言う先輩に、思わず顔が火照る。

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