先輩、好きです。
それにつられるように、その応援注がれている人物に視線を向けた。


するとそこには、今までに見たこともないほど綺麗なフォームで走る男性選手がいた。


その走りは、驚くほど伸びやかでいて他のどこ選手よりも力強く、輝いていた。


その姿を見た瞬間、吸い込まれるようにその選手に私は釘付けになった。


だって、あんな何にも囚われずまるで自由になったような走り方されちゃ、釘付けにもなるよ。


だって、だって…。


カッコよすぎる。


あんなの、反則だ。


『……っ』


気付いた時には私の胸はあの名前も知らないあの人に惹きつけられていた。


そして、あの走りを見て今までの張り詰めていた気持ちがスッとなくなった。


私もあの人のように、必死になって応援される選手になりたい。


結果がすべてじゃないんだ。


…だから、私には応援してくれる人たちの声援に答える責任がある。


頑張らなくちゃ。

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