先輩、好きです。
「あー、まぁ。俺も先生に用事あるから。ついでに行ってやるよ」


といいながら再び微笑む先輩を見て、また胸が高鳴った。


先輩が開けてくれた屋上の扉をくぐり、階段を降りて行く。


2階までおりて左へ曲がるとすぐ、職員室がある。


「失礼しまーす。福井先生いらっしゃいますか?」


ドアを半分ほど開けてそう言うと、一番近くに座っていた先生が対応してくれた。


「福井先生ね。ちょっとまてて」


そう言われて待つこと数十秒。


眉間にシワを寄せながら、圧倒的な風格のある雰囲気を醸し出しながら先生がやって来た。


あぁ…。怖すぎるっ。


先輩曰く、この顔は通常の顔であって別に怒っているわけではいないらしい。


でも、そうは言われてもあの顔で目の前に来られると自分が何か悪いことをしたんじゃないかって思えてくる…。


「待ってたぞ笹野。…なんだ、近藤もいるじゃないか」


「俺は付き添いなんで」


「…」


待ってたぞって、私そんなやばいことしたの!?


あぁ。神様。


私の陸上部人生、終了のお知らせです。

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