先輩、好きです。
「笹野。この世の終わりみたいな顔をしているが、俺はお前を怒るために呼んだんじゃないぞ」


「……へっ」


「近藤もいることだ、丁度いい。お前ら2人に頼むとしよう」


「「えっ」」


先生の思いがけない言葉に顔を見合わせる先輩と私。


ポカンとしている私たちに、先生は再び口を開いた。


「いいか。お前ら2人には夏の合宿のリーダーを任せる」


「(……合宿のリーダー?)」


私は、先生の言葉にイマイチ理解が追いついていない。


なに、夏の合宿って!?


「が、合宿ですか!?」


「そうだ」


なぜおうむ返しをしているのかはさておき…。


合宿っていったら、夜にお友達と恋ばなしたり、みんなで枕投げしたり…。


…なんか楽しそうな響き!


まるで修学旅行の話のようなことを考えている私は、過去に経験があるだろう颯斗先輩に話を聞こうと視線を向ける。


「先輩!合宿ってどんな…」


「……」

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