僕のホシ
奏。
気づいたら声に出していたみたいで
彼女がこっちに反応していた。
恥ずかしさを紛らわすかのように俺は話し続けた。
「奏って綺麗な名前だね。お父さんとお母さんどっちがつけたの?」
奏は目線をしたに向けて逸らした。
その後またこっちに目をあわして
「さぁ..どっちだったかな。」
気づけば奏は俺にタメ口だった。
いや、全然そっちの方が楽なんだけど。
むしろ話しやすいタイプで、いらないことまで話しそうになる居心地の良い存在に感じた。
「まぁ、そんなの分かるわけないか。」
そう言おうとした言葉に被せて奏が言った。
「奏は親と仲悪いから。東京に来たのだって、反対を押し切って友達についてきたの。」
どこか寂しそうにニッコリと笑って話す奏は辛そうに感じた。
なんて言ったらただ同情してるだけに聞こえるけど。