僕のホシ
「え?てかその友達どうしたの?」
俺は素朴に思ったことを口にした。
奏は黙り込んだままだった。
少し経ってから話し始めた。
そのあいだ自分はずっと小さな体の奏を見続けた。
「一緒に来たのはバイト先の友達なんだ。男の子の友達。」
蓋を開けてと言うかのようにこっちに差し出すペットボトル。
俺がそれを受け取る。
奏は話し続けた。
「その子とはよく不思議な話をするの。会話なのに会話じゃないみたいな。2人だけの世界みたいな。」
俺は蓋を開けて奏に差し出した。
彼女はそれを受け取って飲み始めた。
「恋の話だったり世間の話し。納得のいかないことを尽きるまでずっと話す。それが楽しくて楽しくて。」