僕のホシ
「え、学校は?」
驚きを隠せないまま、自分でも奏の何を知りたいのかわからなくなっていた。
「今8月上旬だよ?(笑) 夏休み。」
「あ..そっか。」
「晴海は20でしょ?」
自分の手が止まった。
むしろここまで落ち着いている奏はもう何を俺に言ってもおかしくはなかったけど。
歳を知っていて一瞬驚いた。
「何驚いてるの?(笑) 晴海はアイドルでしょ?有名人じゃないの。」
「...そうだった。」
最近売れ始めて、正直自分でも感覚が追いつかないようなスピードだった。
だからそのスピードにさえ最近では怯えていた。
芸能界という1つの社会が自分にとって全てで。
ってそんなのはどうでも良くて
「..で、その後どうするつもりだったわけ?奏は。行く所もないから公園の隅にいたんだろ?これだから田舎モンは。都会はおっかないやつ多いんだぞ?」
グループ内では天然とまで言われる自分だったけど。
いや、自分は天然じゃないって思ってるけど。
こんなふうに長ったらしく説教みたいな言葉をかけるなんてなかったから変な感じがした。