泡の夢~きっとまたわたしを見つけて~
死と別れ
本気だった。
あたしの人生で一番力強く決心した日だったし、誰の力も借りずに自分で決められた唯一の事だった。



こんなに静かで、青すぎる青。
真っ暗なのにどうしてこんなに青いの。
泣きそうになった。

死のうとしているくせに、いちいち海の青に感動している自分に気持ち悪さを感じた。
立っているのもすぐにやめたいのに、息もしていたくないのに。






ーーーーーぴちゃ。






冷たい...

靴下も靴も履いたまま足だけをそっと入れてみると、すぐに冷たさを感じる。生きている。それがすごく腹立たしくて悔しい。

11月。月も見えない、こんな寒さの中あたしは死ぬんだ。

ひとりきりで。誰にも邪魔されずに。


お気に入りだったこのモスグリーンのニットワンピースも今日で着納め。
そう思ったらなんだか可笑しくなって少し笑った。
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