君との時間

変わってゆく

ー星夜ー
あの後俺は真愛を落ち着かせるために公園に連れていった。
自販機で飲み物でも買おう。
真愛、どれが好きだろう。

「真愛。これあげるよ」
「ありがとう…」
まだ泣き止んだばっかの顔だな。
今までずっと溜め込んできたんだもんな。
「少しは落ち着いたか?」
「うん…」
「よかった」
でも、どうして真愛がいじめられていたんだろう。
基本誰とでも仲良くできて良い奴だったのに。
何があったんだろう。
「なぁ。真愛…なんであんなことされるようになったんだ?」
「……」
まだ言えないかな。
「言えそうになかったら無理に言わなくてもいいよ」
「私が…掃除してる時…ほうきを当てちゃって……その時…彩の髪留めが…落ちて傷がついたの……彩、それがお気に入りだったらしくて…それで…」
そんなささいな事でなんで真愛が。
「そんな事であんなひどいことをしてきたのかよ…先生には言ったのか?」
「先生は…気づいてたよ…でも彩の親が学校に…お金をたくさん寄付してるから…先生は見て見ぬふりをする…」
なんでだよ。金があればなんでも許されるのか?
「は?!教師なのにそんな事するのかよ…金が全てかよ……親は?親にいえば…」
「親に言ったよ……でも…信じてもらえなかった!近所では評判もいいし…彩がするはずないって……」
親のくせに自分の子供を信じないって?
「まじかよ……真愛…辛かったよな…。俺はお前を信じるから。裏切ったりしない。ずっと一緒にいるから」
俺が1人になんかさせない。
「ありがとう…あり…がとう…」
少しは元気づけられたかな。
「そうだ!俺のいとこの家美容院してるんだ。そこで髪切って整えてもらおう!」
いとこ真愛の事覚えてるのかな。
「え、でも。お金ないよ…」
「お金は俺がどうにかするから!ほら行くぞ」
一応メールだけ入れておこう。
真愛には自分で俺の事を思い出してほしい
いつまででも待つから。
「ほら。後乗れ」
「うん…」
「ちゃんと落ちないように俺に掴まれよ」
「え…う、うん」
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