二回目の初恋~彼女の初恋相手が現れたら
気が付くと、そこは真っ白な病室だった。

どうやら俺は眠ってしまったらしい。

こんな時に何してんだ、俺。

狭い部屋の真ん中にはシンプルなベッドが置かれている。

そのベッドの上には千里が穏やかな顔で眠っていた。
よかった。

千里は助かったんだ。

自然に頬が緩む。

その時、千里の母さんが入ってきた。

「あら、はるくん、起きてたの。」

千里の母さんは俺の頭をそっと撫でた。

ベッドに横たわる千里を見つめながら、千里の母さんが言った。

「はるくん。千里は、記憶喪失してしまったの。」

頭がぼんやりして、苦しかった。

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