二回目の初恋~彼女の初恋相手が現れたら
君が忘れた人
記憶喪失。
そんな状態の彼女に、お見舞いなんていらなかった。
そもそも、俺のことを覚えていない。
もちろん、斗真のことも。
思い出話をするにしたって、覚えてないんだから
千里を混乱させるだけだ。
でも、それ以外に話すことなんてなかった。
少しずつ、千里に会う回数が減っていった。
蝉の声が聞こえる頃になっても彼女は学校に来ない。
蝉の声が消え始めても彼女とは会わなかった。