二回目の初恋~彼女の初恋相手が現れたら

ついにその日が来た。

朝から泣きじゃくる千里をなだめながら、斗真を見送りに行った。

斗真は、俺の友達でもあった。

でも、ライバルでもあった。

うれしさとさびしさに心が押しつぶされそうになりながら、俺は斗真を見送った。

フラッシュバックする。

昨日の2人。

部屋で、ドラマみたいに想いを語り合ってた2人。

俺が入る隙間なんて、1ミリもないことが見て分かった。


「絶対、帰って来いよ。帰ってきたら、千里を幸せにしろよ。」


これが、斗真との最後の言葉だった。

小学1年には早すぎる言葉だったかもしれない。

俺は、大人になるのが早すぎたのかもしれない。


だから、俺はおまえを許さない。

千里への恋心と、現実を教えてくれた、おまえを。

千里を幸せにするまで、許さない。


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