ユキドケ
私の学校はどの学年も20人前後の小さな学校

全校生徒の顔も名前も知ってるほどだ

だからこそ誰とでも仲良く遊ぶ光景が日常であり、あたたかいこの小学校が好きだった

ひとつ文句をいうなら、人数が少ないために起こる問題

それはクラス替えという概念すらないこと

つまりクラスメイトは6年間一緒ということだ


いくら早足であいつを置いていったとしても、教室まで行けば結局顔を合わせる

これは一種の運命なのかもしれない

いや、呪い?

運命なんて言葉、私達には不似合いだ


「おはよう!」


ドアを開けると友だちの声が降ってくる

顔を上げてそれに応える


「おはよう」


そのまま自分の机まで歩き出すと、何かに気づいた友だちは質問を投げかける


「あれ?裕太はどうしたの?」


なぜ、それを私に聞くの


「本当だ、いつも一緒なのに」


別の友だちも便乗してきた


「いつも一緒じゃないよ」


そう答えると、ドアが開く音がした

裕太が友だちにおはようと言いながら入ってきた


私の席は窓側、裕太の席は廊下側

席順だけは離してくれた神さま、ありがとう

これだけはお礼が言えそう


こうして、また幼馴染との1日が始まる
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