ユキドケ
それからの日々は特に変わりはなかった
毎年恒例の家族ぐるみで行うクリスマス会も初詣もやった
ひとつ挙げるとしたら、母親同士がいつも会うと泣きそうになっていた
お茶目で可愛い母親達は置いて子どもは勝手にやっていた
...これはいつものことかもしれない
学校で裕太のお別れ会をした日、私の家でもお別れ会をした
この日は降り続いた雪が止み、久しぶりの太陽が顔を出していた
窓の外には降り積もった雪景色が広がる
準備がもう少しかかると言ったので、私と裕太は外で遊ぶことになった
「まさか一緒に遊ぶ日がまた来るとは」
裕太の呟きを聞き逃さなかった私は、相変わらず可愛くない返事をした
「遊ぶ相手が私だとつまらないでしょ」
そんなことを言うと裕太は目をぱちくりさせて、盛大なため息をついた
「誰もそんなこと言ってねぇだろ」
まさかの答えに内心ドギマギしていた
「前にも言ったけど、おまえは遊んで笑ってればそれでいいの」
その相手が俺なら尚更...とブツブツと続けている
あの日から裕太と話すことが増えた
素っ気ない対応をしていた日々を埋めるように
話していて気づいたが、裕太は本当に私のことを守っていたらしい
どんなに私に憎まれ口を叩かれても、一緒に登下校していたのもそのためだった
あの、助けてくれた時も、だ...
元をたどれば、裕太の母が小さい頃から私を守るよう言っていたそうだ
まさか、本当だったなんて...
私は申し訳ない気持ちでいっぱいになった
「ふふっ、裕太変だよ」
私はまだ一人で何か言っている裕太に声をかけた
驚いた顔を見せるから、どうした?と首を傾げてみる
「...やっぱり、笑ってた方がいい」
私いま、自然と笑っていたんだ
裕太と遊ぶことも話すこともあまり無かったから、必然的に裕太の前で笑うことだってなかった
遊んで笑ってる、この条件に恥ずかしさを感じてもう一度、微笑み返す
「やっぱ今のなし、だめ」
意味の分からないことを言われた
笑ってる方がいいって言ったのにだめって、じゃあどうしろと?
笑わない方がいいの?
「あ〜違くてっ、なんつーか」
複雑な顔をする私に気づいた裕太は、何やら弁解をするようだ
顔を赤く染めながら毛糸の帽子ごと頭をかく
「可愛げ充分あるから」
すぐには言葉の意味が分からなかった
そして理解が出来た時、今度は私が顔を赤くする番だった
「〜〜っ、もう裕太なんて知らない!」
つまり、裕太は私のこと少しは可愛いって思ったってことだよね?
そんな顔で、そんなこと言われたら期待しちゃう
あれ、私は何に期待した?
私は照れ隠しのつもりで、握っていた雪玉を裕太めがけて投げた
すると、まさかのクリーンヒットに私はまた笑っていた
裕太は意地悪そうな顔で雪玉を投げてきた
その後、一対一の攻防戦が幕を閉じるまで私はめいいっぱい楽しんだ
雪玉を当てて、当てられて、
逃げ回って、追いかけて、
転んで、手を引いて、
いっぱい遊んだ2人の顔は変わらず赤いままだった
毎年恒例の家族ぐるみで行うクリスマス会も初詣もやった
ひとつ挙げるとしたら、母親同士がいつも会うと泣きそうになっていた
お茶目で可愛い母親達は置いて子どもは勝手にやっていた
...これはいつものことかもしれない
学校で裕太のお別れ会をした日、私の家でもお別れ会をした
この日は降り続いた雪が止み、久しぶりの太陽が顔を出していた
窓の外には降り積もった雪景色が広がる
準備がもう少しかかると言ったので、私と裕太は外で遊ぶことになった
「まさか一緒に遊ぶ日がまた来るとは」
裕太の呟きを聞き逃さなかった私は、相変わらず可愛くない返事をした
「遊ぶ相手が私だとつまらないでしょ」
そんなことを言うと裕太は目をぱちくりさせて、盛大なため息をついた
「誰もそんなこと言ってねぇだろ」
まさかの答えに内心ドギマギしていた
「前にも言ったけど、おまえは遊んで笑ってればそれでいいの」
その相手が俺なら尚更...とブツブツと続けている
あの日から裕太と話すことが増えた
素っ気ない対応をしていた日々を埋めるように
話していて気づいたが、裕太は本当に私のことを守っていたらしい
どんなに私に憎まれ口を叩かれても、一緒に登下校していたのもそのためだった
あの、助けてくれた時も、だ...
元をたどれば、裕太の母が小さい頃から私を守るよう言っていたそうだ
まさか、本当だったなんて...
私は申し訳ない気持ちでいっぱいになった
「ふふっ、裕太変だよ」
私はまだ一人で何か言っている裕太に声をかけた
驚いた顔を見せるから、どうした?と首を傾げてみる
「...やっぱり、笑ってた方がいい」
私いま、自然と笑っていたんだ
裕太と遊ぶことも話すこともあまり無かったから、必然的に裕太の前で笑うことだってなかった
遊んで笑ってる、この条件に恥ずかしさを感じてもう一度、微笑み返す
「やっぱ今のなし、だめ」
意味の分からないことを言われた
笑ってる方がいいって言ったのにだめって、じゃあどうしろと?
笑わない方がいいの?
「あ〜違くてっ、なんつーか」
複雑な顔をする私に気づいた裕太は、何やら弁解をするようだ
顔を赤く染めながら毛糸の帽子ごと頭をかく
「可愛げ充分あるから」
すぐには言葉の意味が分からなかった
そして理解が出来た時、今度は私が顔を赤くする番だった
「〜〜っ、もう裕太なんて知らない!」
つまり、裕太は私のこと少しは可愛いって思ったってことだよね?
そんな顔で、そんなこと言われたら期待しちゃう
あれ、私は何に期待した?
私は照れ隠しのつもりで、握っていた雪玉を裕太めがけて投げた
すると、まさかのクリーンヒットに私はまた笑っていた
裕太は意地悪そうな顔で雪玉を投げてきた
その後、一対一の攻防戦が幕を閉じるまで私はめいいっぱい楽しんだ
雪玉を当てて、当てられて、
逃げ回って、追いかけて、
転んで、手を引いて、
いっぱい遊んだ2人の顔は変わらず赤いままだった