ユキドケ
「2人とも〜そろそろ入っておいで〜」

母の呼ぶ声が聞こえた


私と裕太は作っていた雪だるまを急いで作り上げて、中に入った


2人だけの雪合戦には決着なんてつくはずもなく、途中で飽きていつの間にか雪だるま作りになっていたのだ


手袋や上着、帽子などの防寒具を身につけていたが、手も頬も足もすっかり冷たくなっていた

汗と雪で濡れた服を着替えてから、私達はコタツに潜り込んだ


「もうすぐパパ帰ってくるから、寝ちゃダメよ?」


母にそんなことを言われた

だが、眠気は嫌でもやってくる

小学6年生の体力なんてこんなものだろう


「おい、寝たらダメだぞ」


眠そうにしていることに気づいた裕太が声をかけてくる


「分かってる」


そう答えたは良いが瞼はどんどん重く降りてくる


「それ、もう寝てるって言うんだよ」


寝てない


そう言ったつもりだったが、言葉にはなっていなかった




コタツのお陰か、あたたかくとても気持ちが良く、安心して身をゆだねていた


それは裕太のお陰もあるのかもしれない

裕太だからこそ出るこの雰囲気

私は案外好きなようだ


でもこの間、嫌いと言った手前、そんなこと言えずにいた


伝えたら喜ぶかな

笑うかな

バカにするかな


いろんな想像してみるが、どれもこれも私が恥ずかしい


今更、それだけのこと、


もう気にしていないよね...
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