男なんかじゃない
天敵

今日はサポートメンバーとして参加させてもらってるアーティストさんのライブがあるのでそのライブの最終リハーサル中。

そこにいやがった…私の天敵、矢野はやと。

こいつは中学の頃からの幼馴染みで私と同じアーティストさんのサポートメンバーでベースを担当している。

毎回、私に難癖つけて文句ばっか言ってくる。

はやと「おい、ゆうき!さっきの演奏なんだよ。気持ちが入ってなかったぞ!中途半端な事すんな!」

ゆうき「はあ~?完璧だったじゃん!」

はやと「俺は気持ちの問題を言ってるんだよ!サポートメンバーをやらせてもらってるたぞ。アーティストさんが歌いやすい環境を作るのが仕事なんだよ。お前のギターは薄っぺらいんだよ!」

ゆうき「……うるさいな。いつもいつも。」

はやと「じゃあ、何度も言わせんなよ。」

ゆうき「…うぅ…………ああ!もううるせぇ!」

私は逃げるように外に出た。
あいつが苦手なのはあいつが言ってる事は結構的を射てる事だ。

くやしいけど正しい。
どこかなんで人のサポートで演奏しなきゃいけないんだと思ってた。
そこをストレートにつかれた。
私は落ち込んでベンチに座っていた。
すると、

はやと「はいよ。ココア。俺のおごりな!感謝しろよ。」

と自販機で買った缶を差し出した。

ゆうき「自販機で買ったくらいでえらそうに。でも、まあ、ありがとう。」

はやと「お前ってさ、ブラックのコーヒーとか飲めなくて、超甘党とかはちょっと女子っぽいよな。見た目は100%男なのにな(笑)」

ゆうき「うるさいな、苦手もんは苦手なんだからしかたねぇだろ!」

はやと「おいしいパンケーキ屋見つけたんだ。今度、連れてっやるから元気だせ。」

ゆうき「マジで!やったーって落ち込んでる原因はあんたなんだけど…」

はやと「そうだったな(笑)」

ゆうき「…ったく(笑)」

はやと「お前はさ、ギターの腕はあると俺は思ってる。中学からの仲の俺がいうだから間違いない。だから、全力でやれ。全力でサポートさせてもらえ。そしたら、お前は絶対成長させてもらえるから。」

ゆうき「はやとってさ、ツンデレだよな(笑)」

はやと「そうか?」

ゆうき「そうだよ。でも、デレポイントもうちょっとないと女に好かれんぞ(笑)」

はやと「うるせぇよ!余計なお世話だ!……………俺は………」

ゆうき「ん?なに?」

はやと「なんでもねぇよ!そろそろ戻るぞ!」

ゆうき「おぅ!」

いつもこうやってはやとに助けてもらってる。
苦手だけど天敵だけど憎みきれない私の悪友で幼馴染で親友だ。
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