一匹狼くん、拾いました。
俺はそれを、不満も言わずに耐えていた。
いや、態度が変わった理由を聞こうとしても無視をされるから耐えるしかなかったんだ。
ある日、俺は母さんに構って欲しくて、万引きをした。
警察に言われて万引きした俺を迎えにきた母さんは俺に何も言わないで、顔にコーヒーをぶっかけた。
俺はアイスコーヒーをぶっかけられたその日から、喧嘩を始めた。
俺は喧嘩をして理由も分からずに無視をされて、髪を引っ張られたりする日々から目を背けた。
そうしたら、
お前と同じように結賀に声を掛けられた。
華龍に入ろうなんて思ってなかった。
俺と母親みたいに、絆なんてすぐ壊れると思った。
でも、本当に壊れるかどうか試してみたくなったんだ。
その時の俺は、仲間なんて信じられないし、いらないと思っていた。
一人で喧嘩に明け暮れてばかりだった。
つまらない日常。
夜遅くに帰ってきても、無視を貫く母親。
……何か、変化が欲しかったんだ。