一匹狼くん、拾いました。





そんな気まぐれに等しいような理由で華龍に入ったのに、



俺は今じゃそこの幹部になってる。





俺は受験生になってまもないある日、母さんに『桐谷は家から遠いから、高校からは一人暮らしする』って言った。そしたら、母さんは、『そう?仁は長男だものね!!立派ねぇ……』って言って、とても嬉しそうな顔をして笑ったよ。

その時、俺の心は完全にぶっ壊れた。



長男?



散々無視したくせに、今更息子みたいなこと言ってんじゃねぇよ。







その時、俺は今更のように気づいたね。





こいつは、俺に愛なんて全然もっていないことに。







そこに居たのは、母親でもなんでもない。






ただの偽善者だった。





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