一匹狼くん、拾いました。
赦し。
そうか。
仁はきっと、俺と同じように寂しかったんだ。
俺の気持ちが分かるんだ。
だから詮索してこなかったのか……。
安心したのか、一筋の涙が俺の頬を伝った。
「なに泣いてんだァー?」
「仁、俺、……お前のこと信じたい。
手ぇ上げて悪かった。
……華龍の奴ら全員信じろなんて言われたらまだ無理だけど、……お前とは友達になってみたい」
泣きながら、俺は仁の手を握る。
「ああ、なろうぜ。友達に」
仁は傷跡のついた俺の白い手を握り返して、晴れ晴れとした顔で笑った。