一匹狼くん、拾いました。
素顔~仁side。
「ただいまー」
結賀はそういって、倉庫の扉を蹴り開けた。
「「「総長!幹部様方!
お疲れ様です……?」」」
下っ端達は、帰ってきた俺達にどこか不自然に挨拶を返していた。
その時、ドタドタと足音が聞こえてきて、俺達の前に一人の女が現れる。
佐伯伊織(サエキイオリ)。
茶色に染めたウェーブのかかったふわふわした髪に、150もない身長と二重の瞳が特徴的な結賀の幼馴染だ。
華龍の姫でもある。
「おかえりー、結賀!!」
そういった直後、伊織はすぐに目を見開き、顔をしかめた。
「……え、結賀、その子誰?」
結賀がおんぶしている銀狼を見ながら、伊織は言う。