一匹狼くん、拾いました。
答え。
「ミカー、今日倉庫くるか?」
五人で校門に向かっていると、結賀が俺の顔を見ながら言ってきた。
「……いや、今日はちょっと行きたいところがあるんだけど……良かったら、お前らも来ないか?」
歯切れ悪くなりつつも、俺はどうにか言い切った。
「結賀、大した会議もねぇし、行っていいんじゃないか?」
俺の隣にいた仁が、どうてっことないように提案する。
ナイス、仁!
仁は隣にいる俺を見てくったくもなく笑った。
「……そうだな。下っ端達に連絡するわ」
結賀が、穏やかな顔つきをして言う。
結賀はポケットから携帯を取り出し、下っ端に無料通話をかけた。
《総長、どうかしましたか?》
スピーカーにした結賀の携帯から、そんな声が聞こえてくる。
「今日用事できたから、幹部も姫も倉庫いくの遅くなる。みんなに伝えといて」
《了解です!》
「ん。よろしく。じゃあな」
通話は、すげー簡潔に終わった。