一匹狼くん、拾いました。





「こいつは銀狼。血流に襲われて弱ってたから拾ってきた。伊織、こいつ風邪ひいてるからお粥作れ。俺は、こいつの傷手当したら、幹部室にあるベッドに寝かせる」




伊織を見ながら、結賀はそう怠そうに言う。



「銀狼って、あの?

分かった、すぐにお粥作るね!!」





伊織は、慌てて頷く。






「なんだよ結賀。たかが銀狼に随分ご熱心だなぁ?」



結賀の後ろにいた廉が、笑って言う。




神楽坂廉(カグラザカレン)


華龍の副総長で、俺や結賀と同じ高校二年生だ。




オレンジ色の長髪に、口からはヤンチャそうな八重歯が覗いている。見た目通り、お調子者のチャラい男だ。





「たかがじゃないだろ。……れっきとした病人なんだからよ」




俺は、廉を諭した。




俺は莎草仁(ササメジン)。廉と同じく、華龍の副総長をしている。

青の髪に、つり上がった瞳が特徴……なんだと思う。






自分で言うのもなんだが、華龍の幹部の中では比較的落ち着ついた方だ。












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