一匹狼くん、拾いました。
所有。
「ちょっと香里奈(カリナ)ー抜け駆け禁止。
あたしにも触らせてよ」
もう1人の女は俺の両腕の手首を片手でまとめて掴みあげ、さらにもう片方の手でパーカーを上にあげた。
パーカーが脱がされ、屋上の床に雑に投げ捨てられる。
緋也は、そのパーカーを両足で踏んづけた。
「やめろっ!!!」
せっかく楓とお揃いなのに……っ。
「……あっ」
女は叫んだ俺を牽制するように、首筋を舐めた。もう一人の女に包帯をほどかれ、身体中の傷を露出させられる。
……これ、完全に玩具扱いじゃねぇかよ。
身体中が痛くて、されるがままになってる自分が憎かった。
「わー、身体中アザだらけじゃん。汚ったないー」
「えー、遥(ハルカ)あたしにも見せて。
うわ本当だ。すっご!漫画みたい!!」
半裸にされた俺の身体を見て、女達は大袈裟に騒ぎ立てる。
「へっくし!」
……さみい。