一匹狼くん、拾いました。





肌の部分が見えないほど青黒いアザができた背中を、女達はペタペタと触った。




スーッと背中の傷口を指先でなぞり、不快そうな顔をした俺を見て、遥は満足気に笑った。




「ねぇ銀狼、どこが一番弱い?」



俺の耳元で、遥は優しく囁く。




「なっ……んっ!」


虐待の跡があった耳を噛まれて、血が出た。



クソっ、……ジンジンする。





「痛っ!!!」



遥は俺の背中のアザを爪で引っ掻き、剥がした。



< 139 / 236 >

この作品をシェア

pagetop