一匹狼くん、拾いました。
屋上が緋也達血流に占拠されたので、
俺達華龍は、今日は中庭でお昼を食べていた。
緋也と話が終わったのかミカから電話が掛かってきたと思ったら、血流に入るだなんて、
絶対に何かある。
「隠してるって何をだよ!」
目の前にいた廉は俺を睨みつけ、八つ当たりをするかのように言い放った。
「……それは分からない」
「アイツ、やっぱ俺らとつるむ気なんか最初からなかったんじゃねぇの?全部お遊びだったんだよ!」
下を向いて静かな声を出した俺を見て、廉は叫ぶように愚痴を言った。
「そんなことない!遊びで虐待の話なんかしないだろ!!……それに、あの態度は少なくとも演技なんかではないと思う」
負けじと俺は声を荒らげて言い返した。
「……俺も、遊びじゃないと思う。ただ、どっちにしろ、ミカとは一度話す必要があるな……」
結賀は俺と廉と伊織の顔を一瞥し、
迷いもなくそう宣言した。
「仁、血流のアジトにあいつは住むにしても、服を取りにお前の家へもう一度来るはずだ。
その時に、あいつの本心を暴いてくれるか……?」
結賀は躊躇いがちに言い放った。
「あぁ、当然だ」
俺はそれに、一切の迷いもなく頷いた。