一匹狼くん、拾いました。
ガチャ。
放課後、ドアを開けて家に入ると、寝室のベットの上にミカが座っていた。
「……ミカ」
「仁か」
ミカは俺を軽く一瞥し、すぐに目を逸らした。
「血流に入ったって、本当「嘘なわけないだろ」
食い気味にミカは言った。
「……じゃあ質問を変える。入りたくて入ったのか?」
「さぁ?どうだろうな?
あんたに詮索される義理はない」
ミカは顔を俺から背けたまま、冷たく言い放った。
「こっち向けよ、ミカ」
ミカの真ん前まで歩いた俺は、その肩にそっと触れた。
「痛っ!!!」
ミカは、触れただけで顔をしかめた。
「ミカ、……もしかして、血流にやられて、脅されたのか?」
バンッ!!!
ミカは、俺の両腕を勢いよくふりほどいて、俺の顔を物凄い形相で睨みつけた。
「……あんたに心配される義理も、話す義理もねぇんだよ。
仁、孤立主義のこの俺に、友情なんて甘ったるいもん求めてんじゃねぇよ」
ミカは立ち上がり、まるで両足を引きずるかのように不自然に歩いて、家を去っていった。