一匹狼くん、拾いました。
人形。
翌日、ホームルーム前。
もうミカの親が帰ってくるまで半分切ったな……。
俺は、結賀や廉や伊織と、緋也のいるクラスに来た。
「あれ?華龍じゃないか。どうしたんだい?」
5組の教室のドアから、緋也が出てきた。
俺は、すぐにそいつの胸ぐらを掴みあげた。
「……ミカのこと脅してんじゃねぇよ」
あいつ演技下手くそなんだよ。
助けて欲しいなら、BARに行った時みたいに、ちゃんと言えよ!!
結賀達3人は、脅されたと俺がまだ伝えてなかったからか、一瞬驚いた顔をしていた。
しかし、すぐに俺と同じように緋也を睨みつけた。
「……クク。あの子は僕のモノだよ?
来な。あの子の本性、見せてあげる」
何かを企んだかのような醜悪の笑みを
緋也は浮かべていた。