一匹狼くん、拾いました。
緋也について行くと、保健室についた。
「気づいたら機嫌悪くなるだろうから、足音は立てないでね?」
「当然だ」
「ああ」
「しゃあねぇなー」
「はいはーい」
緋也の言葉に、俺達は小さな声で、
上から俺、廉、結賀、伊織の順番で返事をした。
緋也が保健室のドアを開けた。
甘ったるい香水の匂いが鼻を刺激した。
「あっ、んっ! んー!!」
保健室の端にあったベットから、カーテン越しにミカの声が聞こえてきた。
甲高い、何かを感じているかのような熱っぽい声だった。
「……おい、ミカに何してる」
「さぁ?当ててみなよ」
緋也は気味が悪いほどに笑いながら、
得意げに言い放った。
…………ふざけんな。