一匹狼くん、拾いました。
「………ミカ、帰るぞ。俺は居候やめるなんて聞いてないからな」
俺はミカの腕を掴んだ。
しかし、ミカはすぐにそれを振りほどいた。
「……ああ、そうだったな。じゃあ今言ってやるよ。俺はもう二度とお前の家には行かねぇ。これからは緋也の家に住む。なぁ?緋也」
ミカは緋也の腕を掴み、笑った。
「うん、いいよ。昨日も泊まりに来たからね。クラスも同じがよかったなぁ……」
緋也は頬を少し膨らませ、拗ねるように言った。
「家は変わっても、クラスは同じだもんね?君達は」
俺を指さし、緋也は言った。
そうだ。チャンスはまだ学校に…………。
「緋也拗ねんなよー、俺もう学校行かねぇし」
俺がそう考えていた矢先、緋也の頬をつねって、ミカはだるそうに言い放った。
…………チャンスは学校になんか、なかった。