一匹狼くん、拾いました。
不器用。
バチーン!!
その時、俺の真後ろにいた結賀の隣にいた伊織が、足音を立ててミカの方へ近づいてきて、奴の頬を勢いよく叩いた。
そして、そのまま伊織は背伸びをして、ミカの胸ぐらを勢いよく掴みあげた。
「時間の無駄!?もう一回言ってみなよ!!あんたの自殺、仁がどんな思いでとめたと思ってんの!!いつもいつも冷静な仁が、あんなに取り乱したんだよ!?
あんた、それぐらい大事に思われてんだよ!!なんでっ、なんでそんなこともわかんないんだよっ……!」
伊織は、泣いていた。
いつもいつも笑ってて、笑顔と元気が取得のあの伊織が、俺なんかのためにボロボロと涙を流していた。
柄にもなく、我も忘れて叫び散らしていた。
「ハッ、熱くなってバカみてぇ。そういうのウザいんだよ」
しかし、ミカは大した動揺も見せずに、
冷徹にそう言った。
「……大っ嫌い!もうミカなんか知らない!!」
胸ぐらから手を離して、伊織は保健室から走って出ていった。