一匹狼くん、拾いました。
真実~俊平side。
「いやあーびっくりした。君って、結構話し合わせるの上手いんだね」
放課後、緋也は俺の身体を手当しながら、そんなことを言った。
「……お前が仲いい振りしろって言ったんだろ。昔から、モデルのインタビューとかのせいで、作り笑いをするのだけは無駄に上手いからな」
俺は周りを見渡しながら、言葉を返した。
ここは緋也の家だ。
部屋の天井には金色に輝くシャンデリアがあり、
床には赤い絨毯が敷かれている。
床と天井とは打って変わって、中にあるのは簡素なもので、隅に傷一つない白い整理タンスとベッドが一つ。
部屋の中央には、同じ色をした長テーブルとソファだけが置かれていた。
テレビもない、必要最低限のものしか置かれていない部屋だ。
……まるで何かを遮断しているみたいに、不自然にものが少ない。