一匹狼くん、拾いました。
一匹狼~俊平side。
窓が近くにあるのか、照りつける
朝日に顔をしかめ、俺は目を覚ました。
「ん……痛っ!」
起き上がろうとした瞬間、左足と腹に痛みが走った。
「気がついたか、銀狼。体起こせるか?」
俺は近くにいた結賀から差し出された手を握って、どうにか起き上がった。
結賀がいることから察するに、ここは恐らく華龍のアジトなのだろう。
直後、頭めがけて、グレーのいつも使ってるパーカーが飛んでくる。
そこで俺は、今更のように自分が包帯をまいた体の上に、雑に結賀のコートを羽織っていただけだったことに気がついた。
慌てて俺はパーカーを受け取り、それを着てフードを被った。
「一応言っとくけど、もうお前の顔全員見てるからフード被ってても意味ない」
青い髪をした、恐らくさっきパーカーを投げてくれたのであろう男が、俺に言う。
……確か副総長の仁だっけか。
「……俺の気持ちの問題」
俺は素っ気なく言葉を返した。