一匹狼くん、拾いました。





「……意外だろう?



僕のことだから、無駄にものが多いとでも思った?」



緋也は笑いながら言ってきた。



「あぁ、そうだな」






俺が賛同すると、緋也はすかさず、背中の傷口に、ボトボトと消毒をかけた。





「痛っ!?あっ、緋也ストップさーせんした!!!」






「……僕はテレビとか、無駄にうるさいから嫌いなんだよ。…………君にやってるみたいに、誰かをいじめて、その反応を楽しんでいる方が僕はよっぼど楽しいからね」




消毒を掛けるのをやめ、緋也は冷めた口調で悪魔のように言い放った。






……死ぬかと思った。






「……緋也、言ってることがえげつねぇよ」



人をいじめるのが好きって……。



こいつ、頭おかしいだろ。






「知ってるよ?それが僕だ。…………幻滅するかい?」







俺の隣にいた緋也の瞳は、光を宿していなかった。






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