一匹狼くん、拾いました。
「……助けてくれてありがとう」
「アハハハ、喧嘩しか考えてなさそうな銀狼にお礼言われんのって変だわ」
仁の隣にいる男が、笑って言う。
そいつは、緋也よりは幾分か色素の薄い赤い髪をしていた。……確か、もう1人の副総長の廉だ。
「いや流石にそれ失礼だろ。銀狼、お前も否定しろ」
仁が冷静に諭した。
「……別にいい」
そう見えていても仕方がないと思うから、別に言われても構わない。
「しっかし、派手にやられたな。
アイツらのやり方も結構問題だと思うけど」
俺の体を見て結賀は言う。
「ああ。本当にお前らが来なかったら今頃どうなってたか……」
大方、あのまま助けが来なかったら死んでただろうな。